カンガルー統合保育園では現在、重度心身障害児といわれる子どもたちがいます。
わかりやすく言うと寝たきりで、自分で体を動かすこともできない子供たちです。
医療的ケアも必要です。医療的ケアとは、食事が食べられない子どもがチューブを鼻などから胃に入れてミルク等を注入(経管栄養)する必要があることや、呼吸がうまくできない子どもがのどに穴を開けて呼吸をしやすくしていて(気管切開)、器械で痰を吸引する(気管内吸引)必要がある子供たちに対する行為を言います。
医療的ケアは家族や看護師などの医療従事者しかできない行為でしたが、平成24年度より法改正が行われ研修を受けることで資格として保育士が実施することが認められることとなりました。もちろん全国的に取り組んでいる保育園はほとんどありませんし、保育関係者の中でもご存知の方は少ないのではないかと思います。
当園では法改正が行われる前からずっと保育士が医療的ケアをできるように取り組んでいました。
今後も保育士が安全に医療的ケアを実施できる環境を整え、積極的に医療的ケアの必要な子どもたちを受け入れて統合保育を行って行きたいと考えています。
そのためにも私たちは新しい人材を熱望しています。
実際に今まで見たこともやったこともない医療的ケアについて学ばなければいけないので不安も大きいと思います。自分にできるだろうかと考えるかと思います。
私たちは医療的ケアができる保育士が必要とは考えていません。
私たちが望んでいるのは健常児でも障害が重度であっても分け隔てなくそれぞれを一人の子どもとして受け入れられる方。そして健常児でも障害のある子どもに対しても自分が何をできるかを一生懸命考えることができる方。そういう方と一緒に働きたいと考えています。
ここで重度の障害児を学び、健常児とともに過ごす保育を学び自分なりの統合保育について考えていく中で、結果的に医療的ケアを実施できるようになり資格を取り経験をつんでいくことが今後のカンガルー統合保育園の発展につながっていくと考えています。
また、自分自身のスキルアップにもつながると考えます。
今後は社会的にもっと重度の障害を持つ子どもたちの保育のニーズは増えていくと思いますし、医療的ケアはいつかどこの保育園も直面する時が来ると考えるからです。
今、当園で必要な人材はやる気のある方、学ぶ姿勢のある方。それだけで十分です。
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